『アイデンティティのつくり方:自分とは何者なのか?』が、父親の僕に刺さった理由

正直なところ、僕は30歳をすぎ、父親になった今でも「自分は何者なのか?」という問いから逃れられていません。職場では一人前の会社員、家庭ではパパとして奮闘していますが、それだけでは本当に自分自身を語りきれていない気がします。

そんな中、例のごとく蔦屋書店で立ち読みをしている中で出会ったのが『アイデンティティのつくり方:自分とは何者なのか?』という本でした。

はじめは、タイトルからして「またありきたりな自己啓発本かな」と少し疑ってかかりました。ところが、読み始めてすぐに、その予想はいい意味で裏切られました。

「自分探し」ではなく、「自分を決める」こと

この本の面白さの秘密は、著者である各務太郎さんと森山博暢さんという、まったく違う二人が書いていることです。森山さんは元ゴールドマン・サックスのトレーダー、各務さんはクリエイティブ業界で活躍するクリエイター。それぞれ、まったく異なるキャリアを歩んできた二人が、「自分とは何か?」という問いを一緒に深掘りしていきます。

金融業界という数字がすべての世界で生きてきた森山さんは、数字を軸に論理的にアイデンティティを整理する方法を教えてくれます。一方で、各務さんは自分の内面に丁寧に向き合い、本当に心が求めることを見つけていく感覚的・デザイン思考的なアプローチを紹介しています。

この2つの全く異なる視点が組み合わさることで、抽象的になりがちなテーマがとても具体的で実践的な内容になっています。

子育てパパにこそ、この本が必要な理由

パパになって思ったのですが、僕たち父親は「役割」としての自分ばかりがどんどん増えていきます。会社では社員、家では父親や夫。でも、気がつけば「自分自身の人生の目的」や「やりたいこと」が薄れてしまうことってありませんか?

そんなモヤモヤした感覚を放置したまま過ごしてしまうと、どこかで必ず壁にぶつかります。この本は、そんな壁にぶつかった時の「地図」になってくれます。

特に印象に残ったのは、著者の言葉です。

「アイデンティティは、生まれつき持っているものではなく、自分自身で選び、つくり上げていくもの。」

これは、僕自身にとっても大きな気づきでした。今まで僕は「自分のやりたいことを見つけなくちゃ」と漠然と考えていましたが、実はそうではなく、自分で選択し、行動し続けることで「なりたい自分」をつくっていけるのだと気づかされたんです。

僕自身も、この本を読んだあと、「父親である前に、自分自身がどうありたいか」をもう一度しっかり考えるようになりました。そして、不思議なことに、それが自然と妻や子どもとの関係性にも良い影響を与えています。

この本をおすすめしたい人

この本を特におすすめしたいのは、

  • 「父親になったけど、自分の軸が曖昧になってきた」
  • 「仕事と育児の間で、自分自身を見失いそうになっている」
  • 「毎日頑張っているけど、本当にこのままでいいのかと不安になる」

そんな、まさに僕と同じような気持ちを抱えているパパです。

子育ての中で自分を見失いそうになるのは決して珍しいことではありません。むしろ当然です。だからこそ、この本のように『自分を整理する方法』を具体的に教えてくれる本はとても貴重です。

僕自身も、この本を読んで「何か」を見つけたわけではありません。ただ、自分の中の迷いやモヤモヤにきちんと向き合えるようになりました。そのことが、家庭や仕事でも良い結果につながっています。

もしあなたが今、人生や子育ての方向性に少しでも迷いを感じているなら、ぜひこの本を手に取ってみてください。読み終えた頃には、自分の中に眠っている新しい気づきにきっと出会えるはずです。

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